公益社団法人 北海道私立幼稚園協会

Bパターン美しが丘

幼稚園ではたらくことに
興味をもっているあなたのために
絵本「おばけのマールシリーズ」の
絵を描いている絵本作家の
なかいれいさんが
幼稚園にインタビューに行きました。

美しが丘幼稚園

学校法人石田学園

札幌市清田区美しが丘5条5丁目8-20

お話をしてくれた方々

 鈴木眞弓園長
 今津有雅さん(保育士経験6年目)
 武者妃花さん(保育士経験4年目)

楽しいと思うことからスタート、子どもと一緒にいっぱい体験

Q: この園での働き方や保育に対する思いをお聞かせください。

鈴木眞弓園長:
この園には支援が必要な子どもも沢山おりますが、例えば運動会のリレーなどでその子のせいで負けたという思いを抱くような育て方はしません。どんな子どもも受け入れる多様性を小さなうちから経験させてあげたいですし、また支援の必要な子にも参加意識や自立を促す方法をみんなで一緒に考えていきます。
そして先生たちには好きなことを諦めさせたりしません。皆好きなことに打ち込みながら生き生きとして働いています(因みに武者さんは、今年YOSAKOIソーラン大賞を受賞した「北昴」の一員!)。先生たちが楽しんでいると子どもたちも楽しいって思える、そこを大切にしています。
先生たちが働きやすいよう、体調が悪かったりしたらまず自分の健康管理を優先してもらうように伝えていますし、就職1年目から自己責任でマイカー通勤も認めています。
とにかく先生たちには、楽しいと思うことからスタートして子どもと一緒にいっぱい経験しながら働いてもらいたい、何かあればすぐに報告してもらいみんなでフォローしていく職場環境を心がけています。

美しが丘幼稚園 鈴木園長

園長や先輩先生がフォローしてくれると思うと大変心強いですね。



失敗はいい経験として未来に生かしていく

鈴木眞弓園長:
先生を一人で悩ませたりするようなことは絶対しません。何かあれば、声に出して伝えてもらい必ずフォローするようにしています。特に一年目の時には先輩の先生たちに相談しながら行動するようにしてもらいっています。時には保護者からのクレームもあります。でもクレームをクレームにしないことが大事、お互いに納得できるまで、丁寧に話していくことです。また失敗をすることで、いろんなことを新たに発見でき先生たちも成長できるいい経験になります。そのことを未来に生かしていきながら、常によりよい保育と職場環境をみんなで志しています。


また入園の事前見学は保護者とそのお子さん1組1組丁寧に対応していますので、園の雰囲気がしっかり伝わっているためイメージと違ったということがほとんどありません。納得して子どもを入園させてくださるので良好な関係です。

園長先生のポジティブシンキングの元で不安が解消されますね。



子どもなりに知恵を絞り目標に向かって頑張る姿に感涙

Q: 幼稚園で働いていて感動した体験をお聞かせください。

今津さん:
感動体験はすごく沢山ありますが、その中でも一番印象に残っているのは初めて年長クラスの担任を持たせてもらった時に、運動会でリレーがあるのですが、なかなか勝てないことが続いていました。どうしたら勝てるか、子どもたち同士で作戦会議をしたり、家に帰ってからも家族と一緒に考えたり、毎朝走る練習をしながら来ている子もいて、その気持ちの強さを目の当たりにして感動しました。5歳児なりに一生懸命考えて頑張る姿に感動して涙が出た忘れられない体験です。園児だけではなく保護者の皆様とも一体になって取り組んだことがよい経験で、今のやりがいにも繋がっています。

美しが丘幼稚園 今津さん

子どもたち初めご自身にとっても社会性が育ついい経験になったんですね



「ひめかせんせい」ちゃんとなまえ、おぼえたよ

武者さん:
年少クラスの担任を持った時に、語彙数も少なく支援の必要な子がいたのです。先生一人一人を識別できているかどうか、私のことも分かってくれるかどうか、という感じでした。でもスキンシップを心がけて親身に接し続けていたら徐々にいろんなことが理解ができるようになり、担任最後の日には膝の上に乗ってきて、初めて私の顔をみて「ひめかせんせい」と名前で読んでくれたんです。まるで我が子が初めて言葉を発した時の母親の気持ちになり感激して泣いてしまいました。

美しが丘幼稚園 武者さん

日々努力を積み重ねて、こどもからの愛情が確認できた瞬間は感動しますね。



心から楽しいと思うことをしていたら子どもたちもついてくる

Q: 幼稚園で働くことに不安を抱えている若い方が多いようですが?

今津さん:
働く前、学生の頃は人間関係の不安など想像していました。でもいざ園に就職してみると、先輩たちが優しくて沢山フォローもしてくれるので、とても恵まれています。1日の保育が終わり、職員室に戻って先輩たちに今日のエピソードを報告すると、私には見えなかった視点でアドバイスをいただけてとても勉強になっています。一生懸命やっていたら子どもたちもついてきてくれるし、自分が楽しいと思ってやっていたらその思いは子どもたちにも伝わり楽しんでくれます。失敗は気にせずに、自分が心から楽しいと思うことを貫いてやっていったら大丈夫です。

美しが丘幼稚園 今津さん武者さん

本当に保育のお仕事が好きで誇りを持って取り組んでいるんですね。



当たってくだけろ精神。気がついたら自信がもてた

武者さん:
一年目から担任を持った時、正直最初は不安でしたが、結果的にはとても良かったのです。まずはやってみないと分からない、百聞は一見に如かずじゃないですけど、学生の時はイメージだけですので不安だけが膨らんでしまいますが、実際に体験するとイメージが具体化され授業で学んだことがここで初めて理解できたりします。保育で悩んだ時も、まわりの先生たちがサポートしたりアドバイスしてくれます。日案通りにいかないときも、次はこうしようと日々の積み重ねでいろんな学びがありました。

美しが丘幼稚園 武者さん

担任の経験は貴重ですね。保育士としての自信がつきましたね。



保護者も一緒になって見守ってくれるんです

鈴木眞弓園長:
この園では、保護者の方々も新人の先生を温かく見守ってくれます。私も最初にお母さんたちにお願いするんです。「一年間通して立派な先生にしてくれるのはお母さんたちですから」って。そして3月に保護者から「先生らしくなったね!」と言ってもらうことが、新人先生にとって何より自信と励みになっています。

この園に関わったすべての人たちが一緒に成長していく様が身に浮かぶようです。



二人とも、もうなりたい先生になってるよ!

Q: 幼稚園で働く。子どもと接する仕事をする上で大切にしている信条や志をお聞かせください。

今津さん:
子どもにとって安心できる先生でいたいです。幼稚園に行くのが楽しいというのが前提、それは大人にとっても子供にとっても共通していることなので、自分がどうしてもらったら嬉しいかを常に考えながら子どもと接するよう心がけています。


武者さん:
「この先生、何か楽しいことしてるぞ」と子どもたちが興味を持って注目してワクワクするような先生になりたいです。そのためには引き出しを増やす努力をして、保育の質をあげていこうと思います。YouTubeなどで他の先生の手遊びなども研究したり、研修にも積極的に参加したり向上心を持っていたいです。

美しが丘幼稚園 武者さん


人として大切なことを伝えていきたい

鈴木眞弓園長:
二人とも、もうなってるじゃない、なりたい先生に!
妃花先生は面白い先生だし、有雅先生は本当に安心できる先生。
そしてインタビューを受けていない他の先生たちもそれぞれ個性や魅力を生かして頑張ってくれています。みんなどこに出しても恥ずかしくない、私が自信を持って証言します。
私自身が新人の時に、とても温厚な園長先生に育てられました。子供への接し方を学びそのことを守っています。どの社会にいても、人として大切なことを沢山学びました。そのことを後世に伝えていきたいと思っています。

愛情たっぷりの園長先生の元で毎日働ける先生たち、なんて素敵なんでしょう!